手を用いたケアの大切さ学びました

2020.04.14
東京て・あーて塾
触れること・手を用いてケアすることの大切さを深く学びました!
2月8-9日に千住介護福祉専門学校で東京て・あーて塾が開催されました。
日本て・あーて推進協会、健和会看護部の共催で、32名が参加。看護部からも5名、
協議会からも2名が受講しました。
プログラムの概要は以下の通りです。
2月8日(土)
桜美林大学 山口創氏 「看護における触れるケアのエビデンス」(講演)
健和会臨床看護学研究所 川嶋みどり先生「て・あーての思想」(講演)
愛媛県立医療技術大学 窪田静氏「『動く』を支えるケアとしてのポジショニング」(講演)
2月9日(日)
愛媛県立医療技術大学 窪田 静氏「『動く』を支えるケアとしてのポジショニング」(演習)
健和会臨床看護学研究所 平松 則子氏「熱布バックケアを極める」
グループセッション、講師と語ろう
ケアすることを職業としている私達にとって欠かせないタッチの大切さと奥深さをエビデン
スとともに学ぶことができたと感じます。
窪田氏の講演では、健和会で勤務していた際の視察でデンマークの看護と福祉機器に
出会い受けたショックと補助器具センターを立ち上げたことや、当時、まだ普及して
いなかった在宅リフトの導入により利用者や家族が生き生きと変化していった様が映像
とともに紹介されました。外国では法律で禁止されている介助方法が、日本では当たり
前のように行われていること。ポイントにかかる圧を減らすだけの体圧分散の考え方が、
対象を動けなくするケアになっていること。緊張が取れれば拘縮も改善する=緊張を強い
ているのは私達看護師である、などは多くの受講生にとってショッキング内容でしたが、
適切な関わり前後の利用者の変化が紹介され、皆納得の様子でした。徐圧マットの使い方
についても、看護師は傷を治す係りなのか?それとも動ける体つくりをする係りなのか?
と問いかけられ、全人的に見ることの大切さを改めて考えさせられました。
2日目は演習中心。ベッドを使った背上げの苦しさや、背抜きをすることでの苦痛軽減を
体験。滑る道具(スピラドゥ、マルチグローブなど)を使う事で、靴の脱ぎ履き、
弾性ストッキングの着脱がスムーズになり、ベッド上での体位変換・移乗が、介助者に
とっても介助される者にとっても安楽であることも体験しました。スピラドゥを初めて
手にする受講生も多く、使い方に苦戦していましたが、コツを覚えるとおもしろいように
軽くスムーズにでき、あちこちから歓声が上がっていました。
平松氏は、熱布バックケアを「極める」とし、川嶋先生の講義から引き続く
形で対象の尊厳や可能性を引き出す生活行動援助を探求することの重要性を
語りました。
気持ちいいケア、中でも温熱刺激を用いたケアとマッサージが身体に及ぼす
心身の変化=効果と様々な対象への実施について過去の実践結果も例に挙げ
ながら丁寧に説明されました。熱湯を用いて絞るタオルは、絞り方やタオルの
広げ方・あて方に細かい配慮が必要で、その配慮によって、より気持ちよさや
効果が期待できます。
演習では2人ペアになり、タオルの熱さをいかに逃がさず気持ちよさを提供で
きるかを考えながら熱布バックケアを体験した。温タオルの気持ちよさに加えて、タオルをなじませたりマッサージしたりすることで気持ちよさが倍増する体験により、
皆、温熱効果と手の効果を実感した様子でした。
最後に葛西看護部長により2日間を振り返って1講演毎にまとめがされ、て・あーてを活用・
普及されるようエールが送られた。
終了後のアンケートからは、触れることのエビデンスやなぜ看護にとって触れることが
大切なのかを理解できた、窪田氏講演と演習では新しい知見を得、福祉用具の効果を実感
するとともにこれまでの誤った方法を振り返った、平松理事の熱布バックケアでは手と
熱い蒸しタオルのもたらす効果やタオルの扱い方次第でより効果的なケアにつながること
が確認出来たなどが挙がっていました。
手の技の大切さとケアの実践が、健和会でもさらに普及されることを期待したいです。
(東郷)
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