2023.12.25
こんにちは、健和会の活動を紹介していますブロ子です
今回は、柳原病院からの話題です。
柳原病院では毎月第2月曜日に看護講座を開催しています。
今月は認知症ケアプロジェクトによる非薬物療法についての講座を行いました。
実際に人形やマフを手に取り、体感して講座を楽しみました。
一つ目は「ドールセラピー」
柳原病院には2体の本物の赤ちゃんにそっくりな「たーたん人形」がいます。病棟では、「なんでここにいるの?」「家に帰りたい」と不安になっている認知症の方にそっとたーたん人形を差し出す場面に出くわします。「かわいい」「名前は?」と笑顔でたーたん人形を抱っこする方、「怖い」「重い」とすぐにたーたん人形をスタッフに戻している方など反応はさまざまです。時には、涙を流して再会を喜ばれている認知症の方もいます。
ドールセラピーは、感情に働きかけ、赤ちゃんの世話をするという役割を得て、周囲の人々とコミュニケーションを持つことができます。これは、認知症の方の自尊心を高め、入院生活でも社会的コミュニティを得られ、私たちにとっても患者さんの新しい一面を知ることができる全人的ケアの第一歩に繋がります。
ドールセラピーを行う上で大切にしたいこと。それは、どのように自然な出会いを演出するか、です。講座では、プロジェクトメンバーが看護師と認知症の方になり、出会いのデモンストレーションを行いました。ユマニチュードの技法を使って、目線を合わせて話しかけます。「○○さん、私のかわいがっているお人形です。見てください」「わぁかわいい子だねぇ、抱っこさせて」人形を与えられた、子ども扱いされたとその方に思わせない気配り、自尊心を傷つけないように接することが大切です。
二つ目は「認知症マフ」
認知症マフは、イギリス発祥の認知症の方の手を穏やかに温かく保つための筒状のニット製品です。毛糸や飾りの感触、見て楽しむなど触覚や視覚などに働きかけ、心身の緊張を解きほぐし、安心感が得られるものです。実際にいくつかのマフを紹介しました。実はこれ、柳原病院看護部長のお手製です。
マフは、認知症の方の苦痛や困りごとをアセスメントし、その苦痛の緩和を行い、それでも安心感が得られない時にマフの活用を行う、という流れが認知症マフの使用手順になります。注意点としては、異食の危険がある方の使用や感染面で使い回しをしないことが挙げられます。
実際に点滴ルートや酸素チューブを外してしまいミトンを着用していた認知症の方に使用を試みた事例も紹介しました。その方はマフを見ると、「かわいいね、あったかい。ありがとう。優しいね。」と満面の笑みで答え、日中はミトンを使用せず穏やかに過ごされました。ご家族も「ミトンはかわいそうでした。優しく接してくださって嬉しい」と話していました。マフを通して、認知症の方の本来の姿を知ることができ、また家族看護にも繋がった事例です。まだ積極的な活用の実施にはつながっていませんが、少しづつ使用を進めていきたいと思います。
「認知症」の人、ではなく、認知症の「人」
最後に、認知症の方も私たちと同じ感情を持った「人」であることを伝えました。認知症の人は何もできなくなった人、と支援者の勝手なレッテルを貼らず、認知症の方のストレングスに目を向けた支援をしていくことが、看護師である私たちの責務です。認知症の方が安心した生活が送れる地域を目指して、これからも柳原病院認知症プロジェクトの活動を広げていきます。
認知症プロジェクトの取り組み、頼もしいですね!
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